Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

わがままなシャリシャリさん2 Rugir Pickups

昨日修正したシャリシャリさん用F&Mピックアップですが、もうちょっと明るくしたいという再リクエストがありました。

微調整で修正可能なのは次のような項目になります。

・1弦の音をもう少し大きくしたい

・サスティーンをもう少し長くしたい

・逆にもう少しタイトにしたい

・3.4弦の音量をもう少し下げたいあるいは上げたい

音の明るさはレゾナントピーク周波数帯をシフトすることになります。

暗くすることは、リード線を交換してキャパシタンスの載荷をあげることで多少対応できますが、明るくすることは難しいです。やるなら巻いたワイヤーを数百ターンほどくことになりますが、ポッティングしてあることと、巻いている中でワイヤーの上下が入れ替わっていると途中で切れる可能性があります。

 

それから出音に対する影響度合いは、アンプ7割、PU2割、ギター本体その他が1割くらいです。アンプ7割のうち、アンプ部分が40%、キャビネットが60%くらいと言われています。シールドケーブルでもかなり変わりますし、刺す向き変えても音は変わります。

 

そういうわけでシャリシャリさん ちゃんとイコライザーが充実しているアンプ買って。それでトーンをあげるだけで明るくなります(笑)

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試奏で使っている真空管アンプです。珍しいグレコのGA5というもので、トレブルとバスが調整できます。

スピーカーはアルニコ8インチに替えてあります。スピーカーもアルニコの方がセラミック磁石よりも味があり、真空管に合ってます。但し低出力なので12インチをつかっても30W程度だと思います。アンプの出音の改善で効くのは、スピーカーケーブルを高品質なものに替えることです。オーディオではないのでベルデンのウミヘビで十分。あるいはAIWのWE復刻版で十分良くなります。それから基盤のホットのラインをジャンパー線でダイレクトに繋ぐと少しよくなりますが、失敗する可能性もありますのでほどほどに。

キャビネットはサクラ材(確か)単板をほぞ継ぎでつないで作っています。隅の緑の防護材は革製でビスで留めてあります。箱鳴りも含めた出音狙いです。バッフル板の丸い穴の裏側は斜めに広げてあって、若干低音気味になるようにしています。

5W-10Wクラスで真空管がプリ管パワー管それぞれ1本のものはバイアス調整も不要で、不調なら真空管を変えるだけなので、トランジスタ並みに気を使わないで使うことができます。但し周辺に飛び交う電波を拾ってノイズが大きくなることがあります。

FUZZさんに下の赤い真空管アンプを持ち込んだらノイズで使い物になりませんでした。

パイン集積材を使うかたも居られますが、ホームセンターのものは柔らかいらしいのでご留意頂けたらと思います。

ほぼ100%市販のキャビネットはMDF(木屑を固めたもの)かパーティクルボード(細い木片を固めたもの)です。それは単板は大きな材が取れず歩留まりがとても悪いことと、経年で反ることが理由だと思います。12インチ2発のキャビネット用の板厚15㎜程度の大きい単板を調達するのは至難の業ですね。