ボアアップってご存じですか?
この名前が正しいのかどうかわかりませんが、海外サイトだとこんな使われ方をしているようです。
ピックアップのボビンは、バルカンファイバー製とプラスチック(ABS)製があります。
安いのは大概プラです。ハムは全てプラですね。シングルはアルニコPPだとバルカンファイバー製とプラ製(アメスタの01630はプラ)、セラミック磁石だと100%プラ製です。
プラ製だと、PPがプラ製スリーブの中を貫通するので、巻くワイヤーとの距離があり、手巻きの効果が薄れるとのことです。すいませんK&Tさんの受け売りです。
セラミックだとあまり変わらないとの話もありますが、ワイヤーを巻く余裕が増えるので、私は基本的にボアアップをしています。
ボアアップとは、プラ製ボビンの横腹を削り、PPを露出することです。
ボアアップ前
ボアアップ後
こうすることで、音はともかくワイヤーのターン数を増やすことができます。
手巻きだとどうしても巻きのテンションが甘く隙間が多くなるので、巻けるターン数が機械よりも少なくなります。シングルで8000くらいが限界かと。ボアアップすると10000ターンくらいは可能になり、その分出力がアップします。
厳密にはワイヤー径と巻き形状にも左右されますけれど。
ハムも同様にフラット側はボアアップしてターン数が増やせるようにしています。それでネジ側と出力に差をつけて、高音域/低音域が出るように調整しています。
まったく同じ巻き数だとキャンセリングが強くて中音域だけ出る感じになります。
フェンダーのワイドレンジハムバッカーは、PPをクニフェにしてネジ山を刻むことと、上ボビンは低音側、下ボビンは高音側だけを突出することで、音のレンジを広げるように工夫されています。本当は巻き数も違うと思うのですが、オリジナルは貴重なので分解できません(笑)。手持ちの74デラックスのフロントはクニフェのHBですが。