Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

Tone Wood Rugir Pickups

トーンウッドって言い方はご存じでしょうか?

文字通り、いい音がする木材のことです。

木も種類によって、楽器に向いている・いないがあります。

基本的にはある程度目が詰まっていて音が響くものとなります。目が詰まっているいないは、比重を見ればある程度分かります。例えばバルサ材は軽すぎて音が伝わらないですね。また重すぎても困ります。

他には価格、例えばチーク材は重くて堅牢ですが、ちょっと高いです。ローズはときどきありますが、とっても重いですし価格が高いです。黒檀はもっと高いですし、シャム柿は細くてボディー材にするには3ピース以上を接ぎ合わせる必要があります。楡は音がちょっと鈍いし、ケヤキも使えますが高くて重い。杉はちょっと軽い。 そういう中で響きが良くて大きな材が取れて価格が適当なもの、という訳でアルダー、バスウッド、マホガニー、アッシュがポピュラーになっています。中にはコリーナやポプラといったものもありますが、マイナーですね。

コンコンと指の関節で叩いてみて響きの良しあしを見分けています。

さてここまでが前振りで、最近驚きのボディーを入手しました。

f:id:rugirpickups:20201101134521j:plain

よく見るとMDFという木屑チップを固めたものです。アンプキャビネットでは普通に使われますが、ギターのボディーとしては初めて見ました。

音は木の繊維(年輪)にそって伝わります。クォーターソウン(日本語だと柾目取り)がネックによいとしてPRSは基本これですが、剛性の高さと音の伝達の素直さを買ってのことです。ずっと板目どりのギブソンや、斜めが主のフェンダーとは思想が違っていますし、異論もありますが。

でもMDFの場合、音は接着剤部分で吸収されて響きません。型に入れて成形できるのでコストは材料費と合わせてとても安いですが、ギターに使ってはダメダメだと思います。ネックは普通のものなので再生したいと思います。

皆さまもノーブランドや見かけないブランドのギターを買うときはご注意ください。