Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

使用ワイヤーと音の関係 Rugir Pickups

ビンテージフェンダーはプレーンエナメルAWG42を使用しており、ギブソンはヘビーフォームバーAWG42を使用していることが多いです。

PRSは結構いろいろ使っていて、AWG42-44と、ターン数に応じて使い分けています。

線材のインシュレーション(絶縁被覆材)と径をどうやって選んでいるかと言えば、

① 狙いの出力のターン数がボビンに巻けるかどうか

② 音はタイトかワイドか

で、インシュレーションの材料による音の違いはわずかというのが、海外フォーラムを覗いた時の多数意見のようでした。

PEとHFBの違いは、インシュレーションを合わせたワイヤー径の太さです。ワイヤーそのものはAWG42なら太さと公差が決まっていますが、インシュレーションの厚みで、PE43とHFB42はほぼ同じ直径になります。UEWはその中間くらいです。

フェンダーのシングルはボビン一つで約2.6H/8000ターン。ギブソンHBの片方のボビンは1.5H/5000ターン ボビン自体の巻ける断面積はそれほど変わらないので、フェンダーはたくさん巻ける細めのPEを、ギブソンは巻き数が少ないので太めのHFBを使ったのだと思います。ちなみに巻き数が同じなら巻いてある(上から見た)面積が大きいほうが出力が大きくなります。

Rugirでは、ビンテージ系ならPE42を、タイトにしたいならPE43を、ハイパワーにしたいならPE0.05㎜を、ハイパワーかつ少し中音よりにしたいときはPE0.05㎜+UEW0.07㎜などを繋いで、出力と出音を狙ったところに寄せて行っています。

ですので、クローンを作りたいとき以外は、「こんな音が出したい」というアバウトなご要望を頂く方が、よりご希望にあったご提案をすることができると思います。

ちなみに巻くテンションでも音は変わります。