Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

サンダーバード5弦用ベースPU音源 RugirPickups

サンダーバード5弦用と珍しいオーダーを頂きました。どんなものかを調べるのから始めて、カバー類をアメリカに発注したので事前の時間が1月くらいかかりました。制作はボビンの切り出しから始めて足掛け5日くらいです。ベースプレートもサンダーバード用を購入したのですが、買って初めてスチールであることがわかりました。普通に真鍮か洋白で作っていたら音が違っていたので、良かったです。

PE42でフロント9000ターン、リア10600ターン、4H/8KΩ・4.7H/9.3KΩとなっています。アルニコ5バーマグネットのブレードタイプで、ワイヤーはマグネットに直接巻いてあります。リップスティックと同じです。前の記事に書きましたが、サイドワインダータイプもあるようでしたが、相談の結果平ボビンマグネットブレードタイプになりました。リード線がボビン下から直接ベースプレートを貫通するようになっているので、初期PAFのように、リード線にワイヤーをハンダし、リード線ごと巻く方法で制作しています。上下ボビンとも巻き方向を同じにして、上ボビンの巻きはじめをホットに、下ボビンの巻きはじめをコールドにして、RWRPにしてあります。

(普段は巻き方向と電気の流れ方向を一致させています)

 

https://youtu.be/OW_8p8Jd0mo

 

ボビンはグレーのバルカンファイバーから切り出しています。手持ちのバルカンファイバーの中でこのグレーが一番薄かったので使用しました。厚いと巻き高さが不足し薄いと曲がるので。今回は1.6㎜くらいのものです。サンダーバード用PUは高さが薄く、巻き高さ(ボビンのワイヤーを巻くところ)は4.5mmくらいとP90に比べれば薄くなります。普通のHBより少し薄目・ジャズマスターは極端に狭く3.7-4mmくらいです。

 

完成したのがこちら。クロームメッキがぴっかぴかです。

裏はこんな感じでリード線がベースプレートの穴から出ています。ボビンに開けたリード線の穴と位置を合わせて、線を踏まない様にしています。線が動くと抜けたりするので、グルーガンで固定してあります。

裏蓋の縁に出ているのはワックスです。ポッティングはしていないのですが、いつも裏蓋とカバーの隙間にワックスを流し込んで、マイクロフォニック効果が出すぎないようにしてあります。