Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

gibson size wide range humbuckers CuNiFe 音源 RugirPickups

 

オーダー頂きました、CuNiFe磁石ねじ切り24本を使用しました、ワイドレンジハムバッカーです。音は中音よりで上下ボビンに巻き数差を付けて、というご要望です。

通常のPAFでフロント4.5Hくらいですので、フロント4.5H、リア5Hを狙って巻きました。

片側ボビンのH値を足したものより直列でつないだ場合のH値の方が大きくなるので、巻いた時点では少な目のインダクタンス値になるようにしています。巻き終わって2つのボビンをシリアル接合しないと最終的なH値がわからないので、毎回大丈夫かどうか心配しつつ、制作しています。直流抵抗値は2つを足したものとシリアルでつないだものと同じ値です。

ボビンの巻き数が少ないとちょっとした巻き数差でインダクタンス値がぐんと変わってしまうので、微妙なんです。例えば5000ターンで1.3Hでも6000ターンで2Hとか急に上がることがありますし、それを巻き解いても5500ターンで1.6Hで、5200まで解いたら急に1.3Hになったりします。素手で触って計測しても値がずれるので、計測時にはその都度指サックをしています。抵抗値は素手で触りながら計測しても変わらないので、簡易的な通電チェックは抵抗値を素手でリード線にあてて図っています。キャパシタンスは素手で触らない様にしています。

まだカバーは磨いていないメッキ無しなのでくすんだ感じになっています。ご要望に応じて磨いた後にレリック加工(腐食処理)をします。腐食液で曇らせた後に弦が叩くところなどを磨いて雰囲気を出します。縞模様っぽく腐食痕を入れたりもしますし、もっと本格的にする場合は、塩を振ってから屋外にさらしたり、醤油を塗ったりすることもあります。屋外に出すのは、大気中のS分で硫化腐食させるためです。屋内よりも屋外の方が排気ガスのせいで腐食しやすいです。

 

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裏側で見えているのはボビンです。これに鉄製のベースプレートをはめた後にベースプレートを組み込みます。

このサイズに合ったベースプレートは市販されていないので、自分で穴あけ加工します。

 

完成品の写真も追加しました。