復刻版のワイドレンジハムバッカーの巻きなおし(フロント・リア)を依頼されました。
一回巻きなおしがされたとのことですので、フェンダーオリジナルではないようです。
ばらした写真がこちら。ポールピースは磁石になっています。
オリジナルで1弦側に仕込まれている鉄製ヨークが見当たりません。
ワイヤーはポリエステル被膜だと思います。太さはAWG42の手触りです。
ボビンの巻き方向は上下同じで、配線の繋ぎ変えでRWRPにしています。
下はとあるサイトのWRHBの写真で、75年製だそうです。
黒ボビンの写真も散見されるので、両方あったのでしょうか?
これを見るとリード線は1芯メッシュですね。
計測値は次の通りでした。 フロント:3.6H/8KΩ、リア:2.8H/7.8KΩ
資料を見るとオリジナルは10.6KΩで、ボビンが通常よりも大きくて抵抗値が大きいとなると、通常のPAF 4.5H/8.5KΩよりも出力が高い筈なので、計測値は少し低いですね。フロント>リアの差も大きいです。
ご要望は「フロントのブーミーさを解消すること」ですので、出力を4.5H/5.0H程度に上げつつ、上下ボビンに巻き数差を少しつけてタイトさを出すようにします。
1弦側ヨークもフロントはつけようと思っています。ヨークありと以前どこかの記事で読んだ気がするのですが・・・。
というわけでできました。早いですね。3時間くらいです。
フロント4.8H、リア5.0Hです。ワイヤーはシングルフォームバーを使用しています。リード線は1芯メッシュにして、短絡防止にスミチューブをかぶせています。見分けやすいように色を変えてます。オリジナルはボビンのコールドをベースプレートに落としていましたが、いかにも電気が流れにくそうだったので、リード線のコールドと結線しています。ポッティングは無しで。フロントはキャパシタンス多め・揺れ多めで巻いてあります。リアは若干軽めです。
試奏はまた明後日ということで(明日は出張です)。