Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

カスタムオーダーPAFクローン 音源アップ Rugir Pickups

カスタムオーダー頂いたPAFクローンができましたので試奏音源をアップします。

終値はフロント4H、7.4K、リア5.4H、8.4Kと、ご希望より少しリアが高めに出ています。(温度の影響もあります)

磁石はALNICO4で、ワイヤーは全てプレーンエナメルAWG42を使用しています。

オリジナルPAFの通り、それぞれのPUの上ボビンと下ボビンの巻き数を変えて、ハムキャンセル効果を少し減じる代わりに、高音域が残るブーミーさが少ない仕様にしています。各上BBNが3.3Kほど、下が4K ほどとしています。

メーカー製PUは上下で巻き数を変えていませんが、Rugirでは常に巻き数を変えて、高音・低音も綺麗に出るようにしています。

またもう少し上下で差をつけたほうが高音の伸びが良いので大体上を3Hくらいにするのですが、その場合下BBNにAWG42を使うと巻ききれないので43とか0.05㎜を使用します。今回は42指定でしたので、42で巻ける限界からの逆算値です。

試奏はいつものメイビスです。いい音聞かせるためではなくキャラや出音のチェック用ですので、敢えてピックアップの差がでるものを使っています。音源はその分少し割り引いてお聞きください。

 

https://youtu.be/YL08r5Pm8-I

 

ワックスポッティングしていないので、出音にリバーブがかかったようなマイクロフォニック効果が強くでています。風情があるかわりにハウリングしやすくなりますので、スピーカーの前に立たないなどの対策も必要です。

このようにお好みに応じてタイトにもワイドにも制作することができます。

手巻きならではの融通性ですね。

しかしポッティング無しだと巻いたワイヤーの始末が難しくまとめるのに苦労しました。最終的にまずアセテートテープをひと巻きしてワイヤーを固定し、それから短い線をハンダしてもうひと巻きして固定し、それからリード線にハンダするという手順にしました。ポッティングしていたら最初のひと巻きはしませんし、メッシュシールド1芯でなければ、リード線をダイレクトにワイヤーとハンダすることもあります。

いろいろ苦労したので夜なべしてしまいました。

こちらで、ちゃんとしたPAFモデルを扱ってますが、音はどうでしょうか?

HystericPAFピックアップ - PAF系ではなくPAFの音

https://www.youtube.com/watch?v=GffOGLYudtY

完全クローンご指定でなければもう少しいろいろ工夫できます。

上下ボビンの数値差をもう少し広げて、レンジ広めにしつつ、中音を厚くするようにPPのトップ形状を変えて とか。

ご購入者様から感想を頂きましたので追記させて頂きます。

動画にもする予定ですが感想をお伝えします。充分すぎるクオリティでした、とても素晴らしいです。倍音と、質量感はそれまでつけていた498&490には無いものでした。強いて言えばですがサステインがアンバランスな感じがしたのはボビンのバランスでしょうか?ランダムな手巻きのアンバランスさかも知れませんし、ギターのせいかもしれませんが…。とは言え非常に満足しています。しばらく楽しめそうで、払ったお金以上です。本当にありがとうございます。

 気に入って頂いて幸いです。またのご注文をお待ちしてます!