知り合いの方から、テレキャスネックの固定ネジ用穴あけなど依頼されました。
その前の記事のように、ネックセンターとブリッジセンターを合わせることが必要ですので、ネックとボディーと送って頂き、センターを確認して穴あけをしました。
手順は次の通りとなります。
・ナットセンターとブリッジセンターを糸などで結ぶ。
・ネック下端センターを張った糸が通るようにネックの位置を調整する。
・決まったらネックを固定し、ネジ穴をマーキングする。
・ネジ穴のうち、裏から見て右下の穴を開ける。
・開けたネジ穴にネジをねじ込んで軽く固定→ネックセンターを確認し、ネジ穴をボディー裏から再度マーキングする。
・ネックを取り外し、他の3穴を開ける。
・再度ネックを取り付け、ネジを4本とも締めこんだ状態でネックセンターが出ているか確認する。
・穴はまず細いドリルでガイド穴を開けたあとに、ネジよりも細いドリルで穴を開けます。ドリル径はネジ径のマイナス0.7㎜程度が良いと思います。
今回はネックポケット加工がそれなりの精度で、嵌めた状態でネックが少し動けたので、ブリッジセンターを基点にネックの左右角度を調整して穴位置を決めましたが、前の記事のようにネックを嵌めたらぎちぎちでもう動かない場合は、ネック位置を正に、ブリッジ位置を動かすことになります。
センター2ピースボディーの場合は基本的にボディーセンターで合わせるので、ネックセンターブリッジセンターともネックセンターに合わせることになります。
どのように調整するかは、ネックのおさまり具合でおおよそ決まってきます。
本当に微妙な位置関係ですが、弦を張ると左右の位置バランスが気になります。
ナット溝位置も関係してきます。でも出音にはあまり関係ありません。
ペグの取り付けも依頼されました。
ブッシュ径10㎜に対し、穴径が10.5㎜で、クルーソンタイプだとブッシュが抜けてしまうので、穴径を細くしました。本格的にするならネックの穴を埋めてから穴を開けなおすのですが、簡易的に穴にカラーを入れて細くして、ブッシュが抜けない様に加工しています。今回は比較的つぶれないノーメックス紙を穴の内側に貼り付けて調整しています。ロトマチックだと表と裏のブッシュがネジで結合する構造で締め付ければ多少の穴径のがたは問題にならないですが、クルーソンタイプだと打ち込み固定なので、穴径はブッシュ径より若干狭くないと固定できないことになります。
今回お預かりしたボディーは1ピースなのでレアなものと思います。
ネックもローステッドかな? と思う色合いでした。
その他、裏通しのナットの穴の拡大とストラップピン穴あけも依頼されました。