ネックの曲げには次の3つの要素があります。
①ネック自体の曲げ剛性:順ぞり・逆ぞりに関係します。
材の硬さで、メイプル>マホ ですし、また厚みの3乗に比例します。
材の取り方で、柾目>追い柾>板目 と一般的になります。
②曲がるポイント:一番弱いところから曲がります。全体的に強いと(弱いと)元起きになります。
③ボディー側の曲げ:ネック全体の傾斜に関係します。ボディーの剛性とともにネックプレートの剛性及び取り付け位置が関係します。
①ですが、フェンダー・ギブソンは大体板目で材料取りしてます。PRSは以前は柾目に拘っていましたが、いまはそうでもないかもしれません。柾目の方が木から板材を取る際の歩留まりが全然悪いので、コストが高くなります。
②では、トラスロッドを仕込む際に最初に当たるポイントを作ることで、そこから曲がるようにできます。具体的にはロッド溝内の指板側に凸部とつくる(木片を接着)と、ロッドを締めたときに最初にそこがあたって、そこが支点になって、曲がります。
③では、一番荷重がかかるのが、プレートを留めるネジのペグ側です。下の写真は7弦ですが、ネジを1本増やして荷重を分散させています。
しかし通常ネックプレートはボディーのネックザグリ部分にしかつかないので、プレートを厚くしてもそれほど剛性アップにはなりません。ですので、剛性が欲しい時はネックプレートの細長くしてザグリからはみ出るようにし、かつプレート下端をボディーにねじ止めして、ザグリ部ではなくボディー部とプレートを固定します。
模式図:赤丸のところを支点にネックが回転しようとします。
それを留めているのはネジだけになります。プレートは4本ネジだけではボディーと一体になるだけで、プレートの剛性はあまり効かないことになります。
延長してネジでアップリフトを固定するとプレートの剛性がネジの引き抜き耐力分効くことになります。