Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

ダイナソニック制作中 RugirPickups(ルジールピックアップス)

いつもご注文頂いている方から、ダイナソニックのご注文を頂き制作中です。

以前それっぽいものを作ったことがありましたが、構造を勘違いしていて中身は別物を作ってしまったので、今回がオリジナルと同様の構造のダイナソニックを初めて作ることになります。HBサイズです。

部品はほぼ全て一から制作したワンオフものです。

まず苦労したのが、バネの入手で、外径・内径・バネ線径が適切かつ入手できるものを探しました。外径6㎜、内径5.5㎜のものをミスミで見つけて、それに合わせて磁石径を0.187インチにし、それに合わせて穴径を5㎜と設定しました。

ネジ位置が磁石から遠くなるとネジが締めづらくなるので、できるだけ穴を近づけつつ、穴間の強度が持つ程度に離し、センターセンターで6㎜で設定。

磁石間ピッチは10㎜(フロント用のため)とし、まず紙にテンプレートを起こしました。

次にそれをボビンスペーサー用木材に貼り付け、ボール盤で穴を開けます。

穴を開けたあとに木片の周囲を削って外径を出します。

それを表のボビン板(今回はバルカンファイバー)に接着し、木片の穴をテンプレートにしてバルカン板に当て揉みで穴を開けます。

その後に裏板を接着して、表側の穴をテンプレートにして穴を開けます。

 

加工で苦労したのが、磁石とネジを繋ぐリンク金具で、真鍮のフラットバーに穴を開けてから外周を切り出しています。ネジの方はタップでネジを切っています。

タップはM3なのですが、同じM3タップでもピッチが異なるものがあり、ネジにあったものを使う必要がありました。

バネは弱いものを買ってしまいましたが問題なく動きます。

ダイナソニックはシングルコイルで高さをそれぞれ調整したいがために、調整ネジと磁石をリンクで結んでいます。磁石は靭性が低いのでネジ切り加工が難しいためです。

フェンダーのワイドレンジHBは磁石そのものにねじ切りをしていますが、CuNiFeというあまり使われない靭性が比較的高い素材を使用しています。かなり柔らかいです。)

ネジ穴と磁石穴の加工精度があまりでず、ボビン側と微妙に合わなくて現物すり合わせ調整で苦労しました。

6つ調整した後がこちら。

 

 

こちらはMOJOピックアップのダイナソニックタイプですが、構造はこれと同じです。

バネが太目ですね。リンクは樹脂のようです。今回真鍮にするか樹脂にするか迷いましたが、グレッチと同じく真鍮にしてみました。

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これからまだカバーの加工、ベースプレートの加工、および肝心なワウンドが残っています。