RugirのPickupsは、特にストラトはポールピースの頭の形状を削って変えることで音の調整を行っています。従って削った跡が残っています。
初期のストラトのポールピースにはやすりで削った粗いベベルが残され、それが味になっているというお話があります。なぜでしょう?
磁束線は尖ったポイントから発生します。フラットのPPでは角から出ます。ギザギザがあると尖ったところから出ます。それにより、磁束線の集束度に濃淡が出て、音の揺れにつながります。
Rugirではそれを更に積極的に推し進め、分離感を出したり、倍音感を出したり、レンジを広くしたり狭くしたりするために、ポールピースの頭を削っています。また粗めに削り跡を残しています。粗くした効果はsayamakazさんが実験されてますね。
せっかくの形状を、加工ミスと勘違いして、ご自分でフラットに削られた方も居られます。またRugirの価格が安いから適当な仕上げにしてあって残念という方も居られますが、出音に変化をつけている決定的な要因の一つですので、そのままご使用頂きたいと思います。
下の写真は、シャープエッジ、上下ベベルという仕様です。
レシピのエレメントは次の項目です。
・インダクタンス(ヘンリー)
・音の方向性(カッティングか、残響多めかなど)
・線径、被覆種類、場合によっては複数線径のコンビネーション
・トップの形状(フラット、シャープ)
・ベベルの形状と範囲(無しから上下、4分の三、フルビンテージベベル、モダンベベル)
・ポッティングの深さ(無しからフルポットまで)、終わった後の押さえ強さ
・巻き形状(フラット、だるま、トップファット)
・巻きテンション
・スキャッター度合い
・キャパシタンスの大小
・使用するリード線の種類(特にホット)
その上で制作後の動画を見て頂いて、更に微調整を行います。普通は載せたまま調整します。
実はこちらの動画のジミヘンモデルは、リクエストによりわざと仕様だけジミヘン風にして、PPの削りとか、巻きの形状を変えたりしていない、素のままのものです。
こちらジミヘンモデルですが、アルニコではなくセラミック磁石を使っています。
またリアはシングルスタックの高出力タイプです。比べてみていかがでしょうか?