Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

サウンドの作り方 Rugir Pickups

当方のピックアップの音は次のような目安で作っています。

シングルとハムでは少し違いますのでシングルを例にとると、

・音の傾向 - ルーズかタイトか

・残響感の多寡

・サスティーンの長さ 長めかそうでないか

・分離感の有無

・ビンテージ系か、タイトなモダン系か、SRVのようなパワー系かつ中音の響きか

上記の方向性により、使う材料、出力、巻き数などのパラメーターを振っていきます。

①出力値 -- 2.5H程度のローパワーか、3H~3.5Hくらいのミドルパワー、あるいは4Hを超えるハイパワー (これ以上はいシングルスタックセラミック磁石)

②使用する線材の太さ - 0.05㎜、AWG42、43、0.07㎜ 被覆によっても変わります。音の狙いによって、途中で変えることもあります。

基本は狙いのインダクタンス値になった時にボビン一杯に巻かれているように。

③テンション - タイト目ならテンション高く、ルーズな音狙いならテンション緩く

途中で変えることで変化をつけることもあります。

④巻きパターン - スキャッター度合いで若干の音の違いが出ます。またキャパシタンスもスキャッターに巻くと下がります。

⑤巻き形状 - ずん胴型、だるま型、逆三角形型など

⑥ポッティング - タイトなら深く、ルーズなら浅く。浅い時はセラックニス含侵にするときもあります。

⑦ポッティング後の押さえ - 強く押さえて固めるとタイトな音になります。

⑧ポールピースのトップの形状 - 形によって分離感や倍音感が変わります。

⑨リード線

①から⑨までを決めたらあなただけのレシピの出来上がりです。

ポールピースの形がフラットでないのが、Rugir Pickupsの特徴の一つです。決して加工ミスではありません。粗い削り跡も目的があります。

削ってしまうとせっかく調整した音が変わってしまいますので、削らないようにしてください。