先日65年製のピックアップを計測させて頂いた話を書きましたが、いくつか再現をトライしています。
製作当時のデータだと、大体5.7KΩ、2.7H程度で8100ターンくらい、プレーンエナメルAWG42で手巻き(機械巻き手ガイド)ですが、経年劣化で抵抗値が上がり、エナメル被覆も劣化して隙間ができてマイクロフォニック効果が出て、またキャパシタンスも上がった結果、音が太めになって響きが良くなる(残響が残る)個体が多いように思いました。
個体差があるので、枯れたペンペンとした音になっているものもあると思います。
それで音を寄せるために、2.7-3.0H程度に少しインダクタンスを上げた上で、キャパシタンスを高くする巻き方にして、ポッティングを少し甘めにしつつ、PPの角はほんのちょっとベベル加工をしています。これだと太目で張りのある音になり、そこそこ歪ませると太い音になってきます。SRVだと、元がテキサススペシャルという出力大き目のものなので、また違うアプローチになります。
なかなか増えないのがキャパシタンスで、最初の頃のモデルは完全手巻きらしくキャパシタンスがとても低かった(80pF程度 ー 前作P90HBは40-60pFともっと低いものでしたが)のを、巻き方を工夫することで最新作は170pFくらいまで上がるようになりました。具体的なやり方は企業秘密ですが・・・。
1年前と比べたら、選択するワイヤーの種類、径、巻き方、テンション、ポッティング、PPのトップの形状などで、いろいろなバリエーションをつけることができるようになりました。
現在はバラクーダS(シングルサイズ)を制作中です。こちらも最近得た知識も取り入れて、バータイプである横振動だと音を拾わないという点を改善したものにしています。ついでにインレイも入れてますが。
その次はHBゴールドで中音寄り、フロントはメッシュシールド、リアは4芯というものになります。リア4芯でも中音寄りに仕上げるのが腕の見せ所でしょうか。
まだストラトセットがオークションにかかってます。お好みに応じた音に寄せますのでご購入をご検討ください。
もう少しで4万アクセスになります。