Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

ディマジオFS-1まき直し Rugir Pickups

ディマジオのFS-1(DP110)の巻きなおしを2つ依頼されました。

両方とも同じ仕様で巻いています。

オリジナルは13KΩの抵抗値がカタログスペックでしたが、手巻きの場合出力の割に抵抗値が低めに出ることと、インダクタンスが4Hを超えてくるとノイズが大きくなるので、9900ターン、4.7H、9.5KΩと少し控えめに誂えています。

https://youtu.be/DydNFVGvFpQ

一般的なストラト用だと、2.7H/5.7KΩ/7500ターンくらいのものと比較すると、かなり中音よりで、鈴なりはほぼ無しとなっています。タイトさは少し抑えているので、どちらかと言えばリッチな音になっていると思います。

この辺のタイトさは、ポッティングの深さとその後の押さえ方の匙加減で変わってきます。ギュッと押さえるとマイクロフォニック効果が少なくなって、残響が少なくタイトで芯のあつ感じになります。一方押さえるとキャパシタンスも上がる傾向ですが、巻き方のスキャッター度合いを高くしておくと、それほどキャパシタンスが上がらない(中音よりにならない)で済みます。ポッティング・巻き方・巻きテンション・押さえ方のレシピで出音の調整をしています。

「仕様」は使用するワイヤー、マグネット、ボビン高さなど、数値的な面を、「レシピ」は巻き方・巻き形状・ポッティング深さ・押さえ方など、技に関する面を、表しています。