新素材シリーズボビンの第三弾です。
廉価版はプラスチック(ポリプロピレンかABSくらい)、それより上だとバルカンファイバー製でほぼ100%を占めるシングルコイル用のボビンですが、カラーバリエーションが少ないバルカン・耐熱温度が低いPP以外のものを探しておりました。
まずは熱可塑性のカイデックスを試しました。カラバリもあり、悪くないのですが、少し耐熱温度が低く、ポッティングに気を使います。
次にG10というガラス繊維強化プラスチックです。カラバリも多く耐熱も高いので問題ないのですが、1㎜の厚みの次は6㎜となってしまい、使いやすい1.5㎜、2㎜がないことと、音がかなり反響して、固有周期に近い音は増幅されがちなことがありました。
その次に試したのは、ベークライトで、厚み2㎜、耐熱温度は問題ないのですが、カラーが茶色ともう一色くらいと限られてます。最後が今回試したカーボンです。CFRPですね。これは剛性・耐熱とも、問題ないですが、色がほぼ黒なので、カラバリ的には不満があります。という訳で、カラバリが欲しい時はG10x1㎜の2枚重ね、カバーをしないでボビンの上面を見せたいときはカーボン、カバーをする時でボビン自体を制作する場合はベークライト というように使い分けたいと思っています。通常の場合はバルカンの黒・グレー・あるいはレンガ色です。こちらは既製品を買ってきて組み立てるので精度の問題がなくて楽です。
今回の一連のテストで初めて分かったのは、「ボビン材質で音が変わる」ことでした。いままでは材質で変わると思っていませんでしたが、そればバルカンとPPの場合で、より硬いG10、ベークライト、カーボンは、共振して響きがよくなります。枯れた音を出すにはバルカンの方が向いていますが、リッチは響きを出す場合は、積極的に選択するのもありだなと思いました。
こちらがカーボンのストラト(SRV風)。見にくいですが、表面はつるつるピカピカです。
次がバルカンのSRV風。ちょうど同じギターに載せています。
ベークライト
G10(もっと出力の低いPUの方が合っているかもしれません。それこそ1.5Hのアコギ風など)
ちなみに現在制作しているWRHBはベークライト及びベーク+カーボンです。
少し響きを強めたかったのもあります。
カーボンでカバー無しのクォーターパウンドX3が欲しい方、オーダー受けますよ。ちょうど0.25インチ径の磁石が手元にありますので、そのうち作ろうと考えていました。