Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

塗装の話 Rugir Pickups

ウレタン塗装ってどうしてあんなに厚いのでしょうか?

厚さ1㎜くらいあります。ボディーの振動は表面を伝わり、塗装により音も影響されるので、ウレタンの音を聞いているとも言えます。

塗装前のンボディーには微妙な凹凸があります。木ですので金属のようにはいきません。

またプレーナーで表面を削りますが切削工具の精度、送りベッドの平坦度、切削ヘッドの逃げなどもあります。金属切削だと加工は△マークで示され、△△△だと3回平面切削を行う指示ですが、木材では2回粗加工し、あとは手仕上げになると思います。

その状態で塗装後の平坦度を確保しようとすると、塗装を厚くして、平坦になるまで表面を研磨しても塗膜が残るようにする必要があります。

塗料により1回の吹き付けで付着する膜厚は異なります。ウレタンだと1回で0.5㎜(塗装の世界では基本的にミクロンμ単位を使います。0.5㎜は500ミクロン(Dry Film Thickness))くらいとのことで、2回くらい吹き付ければ膜厚が大体確保されます。しかしラッカー塗装は膜厚が薄く、また感想に時間がかかるので、とっても手間がかかります。ギターのリペアで時間がかかるのは塗装と乾燥で、配線類は数時間で交換できますが塗装が入ると1週間から2週間かかってしまいます。

ちなみに橋やタンクなど、屋外の鉄製構造物でも塗膜は合計300ミクロン程度なものですので、1㎜=1000ミクロンがいかに厚いかわかります。

なおよくキャビティーの隅に白い粉がこびりついてますがあれば研磨粉をエアで拭いて掃除した残りです。メキシコ、USAでも沢山残ってますがJAPANはさすが残っていません。 次は塗装と研磨番手のお話で。