Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

68年モデル音源アップ Rugir Pickups

オーダー頂いていた、68年モデルで分離感強め、の作品が完成しましたので音源をアップします。

https://youtu.be/-_LnLSd90Ww

全てN極上の時計回り巻きで、フロント2H、ミドル2.2H、リア2.4Hです。

巻き数は6400、6800、7200と低めになっています。PAシステムの進化で、それほど出力を上げなくても良いという判断で、1000ターン巻き数を68年モデルでは減らしているとのデータから、計算してインダクタンス値を設定し、結果的に通常の8000ターンから約1000ターン減っています。

リアはもう少し変化が出るかと思っていましたが、それほど大きくは変わっていませんでした。あとはご購入者様のコメントに応じて調整します。

分離感はPPのトップ形状で強調してあります。ときどき「仕上げが雑すぎる」というコメントがありますが、仕様ですのでご理解ください。当方のシングルコイルは、分離感・レンジの広さ・豊かな響き など最終的な出音をポールピース形状で調整しています。ご購入者様に音源を確認頂いてからのコメントに対して、ほぼピックアップを載せたまま形状を切削変更して調整しております。

比較のため、手持ちの76年ラージヘッド、三角プレートシリアル最終期の音源も採ってみました。さすがにセミビンテージ。各弦の分離感がつよく、音が柔らかいです。

https://youtu.be/bFdgdb1aJaA

不思議なことに、古いギターは弾き心地が柔らかいです。弦のテンション感が低いというか。チューニングは同じなのでテンションは変わらないはずなんですけれど。

なお、70年代後半からCBSフェンダーを売却する82年にかけて、コストダウン優先でつくりは雑になっていくそうです。このラージヘッドモデルは79年頃まで制作され、79年製も持っていますが(カミナリギターに委託中)、こちらは弾き心地の柔らかさはあまり感じられませんでした。製作精度の違いはそれほどなかったとは思います。