ピックアップを巻くときのテンションについて。
写真の通り、ガイドしているときは、素手でやっています。手巻きビルダーの記事を見ると、滑りを良くするのにタルカムパウダーや布切れを使うと書いてあることがありますが、それは回転速度が速くて摩擦熱が発生するか、あるいは滑りが悪くて切れてしまうことがあるか、だと想像しています。
Rugirでは全て手回し機ですので、素手でつまんでいても熱くなるまで回せません。肩が壊れてしまいます(笑)。
テンションはvery looseから、very tightまで何段階かあり、適宜使い分けています。
緩すぎても後で緩んでしまったりしますので(これは巻き形状とも関係あります)。
Very loose : ワイヤースプールと巻き付け場所をほぼ直線にして、手はつまんでガイドするだけでほとんど力は入らない。
loose : 上と同じ状態で少し力を入れてつまむ。
fair : スプール・巻き付け場所・手が三角形の位置関係になるようにして、つまんだ人差し指の上側をワイヤーがこするようにしてテンションを上げる。
tight : fairの状態で指に力を入れてもう少しテンションを上げる。
very tight : 中指と親指でワイヤーをつまんで。人差し指を更にワイヤーに引っ掛けて人差し指をテンショナーとして使って指の位置でテンションをコントロールする。
手回しなので、very tightの時はゆっくりと力をかけながら回します。
これだけテンションを変えることができるのは、手回し機だからです。機械巻きだとワイヤーが切れてしまうか、指がやけどします。
テンションを変える目的は、巻きをアンバランスにして出音に変化をつけることと、出音がルーズになりすぎないように、それから巻き数を稼ぎたいとき、巻き形状を整えたいときです。トラバース速度とも関係があり、トラバースを速くしてテンション高めにして巻き形状保持をするときもあります。緩いと崩れてしまうので。
こんな感じです。力の入り具合からfairくらいですね。
こちらはvery tightです。人差し指の位置でテンションが変わります。