Rugir Pickups’s blog

手巻きピックアップビルダーの制作解説などギター関連ブログ

ミニスイッチの機能手探り Rugir Pickups

中古ギターを購入したときにミニスイッチが増設されている時がありますね。

大体はコイルタップですが、中には全然違うものもあります。

よく聞いてもわからないーーーそんな時は中を開けてどこがつながっているか見てみます。それでもわからない時は、実態回路図を書いてみて推定することになります。

知り合いのVOX SDC22というギター(ハム2発)を預かった際に、ミニスイッチの役割がわからないと相談されました。2ポジションで、上げ下げすると確かに音は変わります。

普通コイルタップなので、音が小さい方にしてピックアップの上下ボビンをドライバーで叩いてみると両方音がします。タップではありません。

裏蓋を開けてみると、ミニスイッチは12pになっていて、フロントPUとリアPUがまずミニスイッチに入ってからトグルへ渡っていました。音が大きいほう(下)にして、ホットとコールドにテスターを繋いでみると、10K くらい。上にしてみると、半分くらいになります。ということで、正解はシリーズとパラレルの切り替えスイッチでした。

これくらいなら簡単ですが、ジェフベックモデル(HSS)を買ってみたら、ミニスイッチが2つついていて、かつボリュームポットがプッシュプルの2段切り替えになっていました。一つのスイッチは3ポジションで、ピックアップを叩きながら確認すると、リアのハムの上ボビンだけ、シリーズ接続、下ボビンだけ という切り替えでした。リアの上と下ボビンを切り替える必要があるのか? と思いつつ、もう一つの2ポジションスイッチを確認すると、普通のパターンとフロント+リアのパラレル接続というものでした。これはまだわかる方です。最後のプッシュプルポットがわからない・・・。仕方がないから開けてみても良くわからない・・・。よくよく見るとコンデンサーが2つついていました。つまり、コンデンサーの値を切り替えるスイッチでした。うーんリアの時は0.022、そうでないときは0.05にしたかったようです。

そこまでライブ中に操作できるのか・・・。

最終的にはフロント+リアのパラレル接続をシリーズ接続にして、ソロ用の音量アップ対応にしました。

80年代あたりに流行ったのがダイレクトスイッチで、切り替えるとPUから直接ジャックに信号が行くようになってました。ダイレクトにすると音量が増すのを狙ったものだと思いますが、前の記事で触れたように、キャパシタンスが増えると音の高さのピークが下がるとともに音量がアップする現象が起きることがあって、却って音量が下がる事態も考えられます。そのせいかいつしかダイレクトスイッチはあまり流行らなくなってしまったようです。

VOX SDC-22の音源アップします。かなり高音よりですね。ユニークなスタイルですが、内部配線は複雑で、もう少しわかりやすくしてほしいです。全部シールド線なのが泣かせます。

https://youtu.be/HEPoAODJWIs